つなぎ足(ポイントベース修正)

トーマスストリズマンのトレーディングシステム入門(第3章先物データ)では、つなぎ足の問題について詳細が触れられています。基本的な種類に分けると、単純つなぎ足、ポイントベース修正つなぎ足、比率修正つなぎ足、永久つなぎ足とあります。今回お話しする内容は、ポイントベース修正つなぎ足についてです。以前のブログで書いたものをまとめました。

先物を取引するにあたり、最も困るのが限月交代の取扱いです。例えば、東京ガソリンの場合だと先限に関して毎月一回のデータの修正をしなければ整合性が取れないことになります。また、株先も同様に当限の修正を行います。ここでいう整合性が取れないという意味は、限月交代日をまたいだトレードの結果がおかしくなるということをいいます。それでは、東京ガソリンの具体的なデータ例を見てみましょう。

先限データ
西暦 月 日 (限月) 価格
20051124 200605 55650
20051125 200605 55460
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20051128 200606 54200
20051129 200606 52480
20051130 200606 52210

この場合、11月25日に55460円で売って、11月28日に54200円で買い戻すことはできません。なぜなら200605と200606は違う銘柄だからです。

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バックアジャスト(昔のデータを調整するの意味)の概念を用いて、つなぎ足を作ってみましょう。

ステップ1

西暦 月 日 5月限 6月限
20051124 55650
20051125 55460
20051128 53860 54200 ←両限月、同じ値段だとみなす
20051129 *****  52480
20051130 *****  52210

ステップ2

西暦 月 日 5月限 6月限
20051124 55990
20051125 55800
20051128 54200 54200 ←差額340円を5月限に加える。
20051129 *****  52480
20051130 *****  52210

ステップ3

つなぎ足データ
20051124 55990
20051125 55800
20051128 54200 ←つなぎ足ができました。
20051129 52480
20051130 52210

このようなデータ加工を行うわけですが、そうなると新たな問題が出てくるわけです。では、仮に前日と比べて、1%下落すれば売りというシステムを考えてみましょう。

つなぎ足データ
20051124 55990
20051125 55800 なし =IF(55990*0.99>55800,”売り”,”なし”)
20051128 54200 売り =IF(55800*0.99>54200,”売り”,”なし”)
20051129 52480 売り =IF(54200*0.99>52480,”売り”,”なし”)
20051130 52210 なし =IF(52480*0.99>52210,”売り”,”なし”)

このように、値段そのものを使って割合をとる指標は意味をなさなくなります。この修正後のデータで、11月24日の価格は55990円ですが、55990円は調整後のものですので、その当日に使用することは不可能です。すなわち、11月24日の当日に認識するデータというのが修正前の55650円だからです。

西暦 月 日 5月限 6月限
20051124 55650
20051125 55460
20051128 53860 54200 ←差額は340円だとこのとき初めてわかる。
20051129 *****  52480
20051130 *****  52210

11月24日のデータは、55650円なのです。55990円は事後的に修正した値に他なりません。

しかし、次のシステムだとつなぎ足が最適です。
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前日と比べて、300円下落すれば売りというシステム
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つなぎ足データ
20051124 55990
20051125 55800 なし =IF(55990-300>55800,”売り”,”なし”)
20051128 54200 売り =IF(55800-300>54200,”売り”,”なし”)
20051129 52480 売り =IF(54200-300>52480,”売り”,”なし”)
20051130 52210 なし =IF(52480-300>52210,”売り”,”なし”)

このように、つなぎ足データを使う場合は、どのようなストラテジーを使うかに左右されます。また、日をまたいだトレーディングだとこのつなぎ足(ポイントベース修正)のデータでないと正確な金額ベースでの結果が得られません。

これらの矛盾を回避する方法で、一番簡単な方法は単純つなぎ足を用いて、そして限月交代のフィルタを用いて取引を控えることです。また、日中で手仕舞うトレーディング戦略だと単純つなぎ足を用いてシンプルにデータ解析を行うのもよいでしょう。

先限のデータ
西暦 月 日 限月 価格
20051124 200605 55650
20051125 200605 55460
20051128 200606 54200 ×限月が変わったので、取引しない
20051129 200606 52480
20051130 200606 52210

しかしこの場合、10日移動平均線等の長い期間のデータを使っている場合は、更に複雑になってしまいます。どんな方法であれ、検証データはストラテジーを最大限、現実に近づけるようにする細心の注意が必要です。

補足:株のデータでも同じことで、分割があった時や配当があった時も修正する必要が出てくるでしょう。

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ushiさんのコメント
つなぎ足についての記事を書いて下さり、ありがとうございました。また質問で申し訳ないのですが、記事のステップ2では5月限を遡って価格データに340円を加えていますが、仮に価格データが2006年2月限からのデータであったとすると、上記の340円を2月限まで遡って加えると考えていいのでしょうか?
また、仮に2006年の7月限の価格データをつなぐ際に6月限との価格差が+200円だとすると、先程と同じように2月限まで遡り200円を加えていけばいいのでしょうか?
分かりづらい文章で申し訳ありませんがご回答をいただければと思います。
宜しくお願い致します。
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ご質問の回答ですが、2006年2月限からのデータがあるならば、340円を2月限まで遡って加えます。過去のデータすべてに対して差額の340円を加えるという考えです。また、次の限月が200円であるならば、更に過去のデータすべてに対して差額の200円を加えます。差額は重なっていくわけでして、7月限からみれば、2006年5月限は合計の540円が加算されることになります。
つまり、ushiさんのおっしゃるようになります。
ここで面白いことを一つ。差額がマイナスとなりそれが重なってくれば値段がマイナスとなることだってありえます。これはおかしいことなのですが、ポイントベース修正の原則からすると辻褄が合うことになり、おかしくないデータとなります。このような事がありますので、ポイントベース修正のデータだと使えないストラテジーもあるということになるわけです。

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