マネーマネジメントという名のもとで、ロスカット幅を枚数によって調整すべきだと言っている方がいらっしゃいますが、あるストラテジーに関して、マネーマネジメントという意味でロスカット幅を移動するのは間違いなくおかしいと言えます。
資金に対するリスクレベルとして、枚数の調整を行うことはマネーマネジメントの言葉通りだと思います。しかしながら、リスクを小さくするからといって、通常10ティックのロスカットを5ティックに狭めてリスクを減らすというやり方はナンセンスです。裁量トレーダーであれば、ロスカットの変更も裁量のうちでトレーディング・センスが問われることとなるでしょうが、システムトレーダーは検証と将来の推測もなしに、このような変更をしてはいけません。
なぜならば、ロスカットを半分にしたからといってリスクが半分になるということは絶対にないからです。ですから、枚数を倍にしたらロスカットレベルを半分にするべきだと言っている方は、明らかに経験あるシステムトレーダーではないですし、どちらかというとギャンブラーです。
当然、このようなギャンブラー的手法で成功する人もいることはいると思いますが、それは、ランダム要素で勝ち残ることもあることから特に不思議ではありません。或いは、確かに相場センスが素晴らしい方もいるとは思いますので、そのリスク調整が絶対に間違っているとは言えない部分もあります。しかし、バックテスト結果と照らし合わせても、ロスカット幅とリスクは比例するわけではありません。ですから、このリスク&ロスカット調整法を採用している方は、ほとんどはランダム要素で勝ち残っているだけだと考えられます。
ロスカットを変更するということは、そもそも不完全なシステムを稼働していることであり、そのシステムはエントリーのみに絞られた主観的なシステムだと言えます。主観的だと言える根拠は、イグジット・レベルがトレーダーの資金やエントリーレベルだけで認識されるわけで、マーケットの動向と何の関連もないところからきています。
ということですが、バックテストにより心理的なストップとしてロスカット幅をエントリーポイントから算出するというのはOKだと思います。エントリーからの固定値幅のロスカットは、正直なところ使えるイグジット・ストラテジーだと個人的に思っています。
まとめると、
「枚数を増やしたらロスカット幅を小さく、枚数を減らしたらロスカット幅を大きく取るべきだ、と言っているような人は、システムトレーダーとして怪しい、ということが言えます。
つまり、こんなことを言っている情報商材・シグナル配信業者は絶対ダメだ」
という結びで今回の日記を終わらせていただきます。
※2枚の取引でロスカット50円と、1枚の取引でロスカット100円は同じだ、と言っている人がいてびっくりしました。まあ、確かに損切りにかかる損失は一緒ですけど、ストラテジーとしての結果は一緒になるはずがありません。
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