日経平均株価の当日の寄り付き及び寄り後の高安を判別するのに有効な指標・情報をまとめてみます。今回のタイトルで期待されている方がいるかもしれませんが、なんてことはない基本的な話です。実は知らなかったという人へのちょっとした助けになるだけでもありがたいです。
東京市場がオープンする9時までは当然、株価の情報はわかりません。が、ほとんどの方は前日と比べて高く寄り付くのか安く寄り付くのかがわかっています。もちろん、勘などではなく、オープン以前の情報に基づいた分析を知らぬ間にやっているのです。その根拠となる五つの情報を明らかにしてみます。
- 一つ目の情報はNYダウ の前日比です。説明するまでもないかもしれませんが、米国市場の動向は世界でも注目されており、特にダウ平均株価は重要な指標となっております。構成銘柄はそれほどリンクしていないのですが、日米共に一般にも注目度があることが理由で外せない情報です。余談ですが、NYダウの価格をサインとして使った日経平均先物のトレーディングシステムはよく出回っています。
- 二つ目の情報は為替です。特にアメリカドル/日本円のインパクトは大きく、円安であれば日経平均にとってポジティブな方向へと働きます。NYダウがそれほど動かなかったときに、為替が円安に進むとそれだけで日経平均株価は上昇します。
- 三つ目の情報は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で上場されている日経平均先物(円建て)であり、取引量は少ないものの取引時間が広くカバーされているのが特徴です。再計算する必要がないので便利です。
- 四つ目の情報は、日経平均株価に連動する先物の動向です。その代表的な先物シンガポール証券取引所(SGX)で上場されている日経平均先物で、8:45から取引が開始されており、この価格を参考にしている機関投資家やディーラーも多いです。
- 五つ目の情報は、米国先物の価格動向です。米国先物は時間外でほぼ24時間取引が可能なのですが、東京市場がオープンする時間帯でも取引が成立しています。時間外取引は通常時間帯の取引量と比べて大幅に少ないものの通常時間帯の取引量が他の先物と比べて桁違いであることから、世界経済を説明するには十分な売買が時間外で行われています。ダウ先物は、取引量が少ないためインパクトが薄いというのがポイントで、E-mini S&P500とE-mini Nasdaq 100が中心となります。
以上の情報を総合的に判断すると、日経平均株価がどの辺りで始まるのか推定できます。
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