フロントランニングとHFT

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フロントランニングとは顧客の注文より前に注文を出し、顧客よりも有利な価格で自分の注文を約定させることです。例えば株式であれば、顧客から5万株の買い注文を受けていたときにその注文よりも前に自分の1000株の注文を出して約定させておけば、5万株を出した後に相場が上がることは必至であることからも、まあ間違いなく儲かります。こりゃいい戦略だと思うかもしれませんが、顧客の取り分を奪っているだけですから、この行為は金融商品取引法で禁止されています。

しかし、一般の証券会社を思い浮かべてみましょう。顧客より売買を受ける仲介業務の部署と自己ディーリングの部署があることは珍しくありません。仲介業務は顧客の利益を最優先するのが使命である一方で、ディーリングは自己の利益を最優先します。このような利益相反が存在することから、企業は自発的にチャイニーズウォールというものを作って、部署間での情報伝達を行わないようにしています。が、そこは考えどころでもあり本当にチャイニーズウォールが機能しているのかどうかは企業内部の事情に詳しくない限り明白ではありません。

話は脱線しましたが、フロントランニングとは明らかな違法行為であり、職業倫理上も決して許されるものではありません。一方、HFTとはハイ・フリクエンシー・トレードの頭文字をとったもので俗にいう高速高頻度売買です。執行速度が速ければ速いほど他者を出し抜いて超過収益が得られることから、各業者は膨大な設備投資や人材投資をして競争力を高めています。この売買は公の情報=売買情報を使って売買を繰り返すコンセプトであり、決して違法行為ではありません。マーケットの売買を徒競走だと仮定すると、フロントランニングはスタートの合図より前に既にダッシュしてズルをしているのに対し、HFTはあくまでスタートの合図があった後で走るという理屈です。

ちなみに欧州ではHFTに対して課税するとの議論が沸き立っていますが、利益に課税することはあったとしても、HFTそのものに課税するのは足の速い人に重いシューズをつけるよう命令しているようなものなので、私は反対です。


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